
今回は、ドレーンのことを教えていくよ!
ドレーンって一言でいうけど、実際いろんな種類のドレーンがあるよね。執刀医から指示されたものを出しはするけど、なんでそのドレーンがいいのか考えたことあるかな?
✅ドレーンの目的
✅ドレーンの種類
✅ドレーンの型ごとの違い
✅ドレーン挿入先の場所について
✅ドレーン挿入準備のワンポイントアドバイス
手術の「閉創直前」に指示されることの多いドレーン。「なんでこの形?何を確認?どこに挿入?」と動揺した経験はありませんか?
本記事では、ドレーンの 目的・種類・挿入部位・準備時のポイント を、図解&チェックリスト付きでわかりやすく整理しました。
読み終えたら、次のオペで「このドレーン、〇〇型だから〇〇準備しよう」と自信を持って動けるようになります。
それでは、一緒に“頼られるオペナース”を目指しましょう!
見るだけでは頭に入ってこないなーって思っているあなたにオススメ!
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ドレーンの目的を理解しよう

ドレーンを挿入する=体に貯留した液体を出す(排液する)こと…間違いではないけど、どういう目的で排液するかを知っておく必要があります。
治療的・予防的・情報的ドレーンとは?
・体内に貯留した液体(気体)を治療目的で排出します。
例えば・・・脳室ドレーン、胸腔ドレーン、胆道ドレーン、膿瘍のドレーンなど
・術後管理で血液、滲出液、消化液などの貯留が予想される場合、排液、排気をして貯留を防ぐ目的としたもの
・出血、縫合不全、胆汁漏、膵液漏などの術後合併症を早期に発見することを目的にします。

予防的ドレーンと情報ドレーンは、考え方的にはドレーン留置場所の状況を管理するという目的は一緒になります。
ドレーンの2種類――開放式 vs 閉鎖式
・ペンローズドレーンなどを用いて、滅菌ガーゼで覆います。
【メリット】
・ドレナージ効果は高い
【デメリット】
・逆行性感染のリスクが高まる

・ドレーンをチューブで排液バックに接続して、外界から遮断をする。
【メリット】
・ドレナージ圧をコントロールしやすい
・逆行性感染を起こしにくい
・排液量の計測がしやすい
・排液の採取がしやすい
・排液の性状を細かく観察しやすい
【デメリット】
・患者がドレーンで制限され、動きにくくなる
・逆行性感染を起こさないわけではない
種類別に覚えるドレーン型4つ+使い分け

ドレーンチューブを種類別にメリット、デメリットを確認しましょう。
①フィルム型
【メリット】
・やわらかく刺入部の違和感や組織の損傷が少ない
・屈曲しても排液が可能
・漿液性の排液には効果的
【デメリット】
・粘稠な排液では不向き
・入れ替え困難
・内腔がつぶれやすく洗浄がしにくい

②チューブ型
【メリット】
・洗浄しやすい
・入れ替えが容易
・粘稠な排液も可能
【デメリット】
・材質が硬めで組織損傷の可能性がある
・側孔に組織が絡みつき
・抜去が困難になる場合がある

③サンプ型
【メリット】
・内腔が閉塞しにくい
・粘稠な排液も可能
・持続洗浄が可能
・一方の腔から外気を入れ他方から体液を排出
【デメリット】
・外気を入れるため逆行性感染を起こす場合がある

④ブレイク型(マルチスリット型)
【メリット】
・内腔がないため詰まることがない
・低圧持続吸引用のバックに接続し
・持続吸引が可能
【デメリット】
・粘稠性の高い排液で閉塞する可能性あり

各型のメリット・デメリット一覧表
| メリット | デメリット | |
| フィルム型 | やわらかく刺入部の違和感や組織の損傷が少ない 屈曲しても排液が可能 漿液性の排液には効果的 | 粘稠な排液では不向き 入れ替え困難 内腔がつぶれやすく洗浄がしにくい |
| チューブ型 | 洗浄しやすい 入れ替えが容易 粘稠な排液も可能 | 材質が硬めで組織損傷の可能性がある 側孔に組織が絡みつき、抜去が困難になる場合がある |
| サンプ型 | 内腔が閉塞しにくい 粘稠な排液も可能 持続洗浄が可能 一方の腔から外気を入れ他方から体液を排出 | 外気を入れるため逆行性感染を起こす場合がある |
| ブレイク型(マルチスリット型) | 内腔がないため詰まることがない 低圧持続吸引用のバックに接続し、持続吸引が可能 | 粘稠性の高い排液で閉塞する可能性あり |
挿入部位10か所を押さえよう

術中ドレーンが挿入されたときにドレーンの先端を確認しましょう。
ドレーン先の各名称

①右横隔膜下
②左横隔膜下
③ウィンスロー孔
④モリソン窩
⑤右結腸傍溝
⑥左結腸傍溝
⑦右腸骨窩
⑧左腸骨窩
⑨骨盤腔
⑩ダグラス窩
①右横隔膜下
肝臓の右葉と横隔膜下の間のスペース
右上腹部で最も深部になるところ
手術:肝切除術、腹膜炎手術などで使用
②左横隔膜下
脾臓と横隔膜下の間のスペース
左上腹部で最も深部になるところ
手術:脾臓摘出術、胃全摘、食道手術、腹膜炎手術などで使用
③ウィンスロー孔
肝十二指腸間膜(肝動脈、胆管、門脈)の背部側
手術:胃切除術、胆嚢摘出術、肝切除術、膵臓手術などで使用
④モリソン窩
肝臓と右腎臓の間のスペース
右上腹部で最も低い位置になるところ
手術:胆嚢摘出術、肝切除術、腹膜炎手術などで使用する
⑤右結腸傍溝
上行結腸と右腹壁の間のスペース
上行結腸肝屈曲部から上行結腸外側を通って盲腸周囲まで伸びています
手術:回盲部切除術、右半結腸切除術、腹膜炎手術などで使用
⑥左結腸傍溝
下行結腸と左腹壁の間のスペース
左横隔膜から下行結腸、S状結腸まで伸びていて、右結腸傍溝より大きくなっています
手術:左半結腸切除術、S状結腸切除術、腹膜炎手術などで使用
⑦右腸骨窩
右腸骨の内面のくぼみ部分
手術:回盲部切除術、後腹膜膿瘍ドレナージ
⑧左腸骨窩
左腸骨の内面のくぼみ部分
手術:S状結腸切除術、後腹膜膿瘍ドレナージ
⑨骨盤腔
膀胱、子宮、直腸の骨盤臓器を含む体腔
手術:直腸切除術(低位前方、高位前方)
⑩ダグラス窩
腹膜腔の一部で男性では、膀胱直腸窩、女性では直腸子宮窩という
手術:直腸切除術(低位前方、高位前方)、直腸切断術
器械出し看護師のための準備ワンポイント💡
フィルム型:スリットを入れる
フィルム型ドレーンは、筒状で内臓組織が内腔に詰まる可能性があります。
そのため、内臓臓器が内腔に入るのを防止する目的で、ドレーン挿入先にスリットを入れることがあります。

チューブ型:側孔のところまでスリットカット
チューブ型ドレーンは、ペンローズドレーン同様、筒状で内臓組織が引っ掛かり、ドレーンの機能を妨げる可能性があります。
そのため、側孔のところまでスリットカットして挿入します。

ブレイク型(マルチスリット型):穿刺針の使用有無を確認
ブレイク型のドレーンは挿入用の穿刺針が、ドレーンに直接ついていることがあります
その穿刺針は、ラパロ手術時は、ポートからドレーンを挿入するため、必要なく、また、開腹時の挿入時でも穿刺針が太いため、穿刺の影響で刺入部が出血することがあり、それを防ぐため、穿刺針はカットし、スピッツメスで皮膚切除して挿入する医師もいるため、確認しておきましょう

まとめ
✅ドレーンの目的は、治療的・予防的・情報的の3種類ある
✅ドレーンの種類は、開放式・閉鎖式の2種類
✅ドレーンのフィルム型・チューブ型・サンプ型・ブレイク型(マルチスリット型)のそれぞれのメリット、デメリット
✅ドレーン挿入先10種類の場所と主な手術
✅ドレーン挿入準備のワンポイント
- フィルム型:スリットを入れる
- チューブ型:側孔のところまでスリットカット
- ブレイク型(マルチスリット型):穿刺針の使用有無を確認

これで、ドレーンの基本やドレーン先が腹腔内のどんなところに挿入されるのか理解できましたか?分かったことをみんなに教えてあげましょう!





