今回は、ドレーンのことを教えていくよ!
ドレーンって一言でいうけど、実際いろんな種類のドレーンがあるよね。執刀医から指示されたものを出しはするけど、なんでそのドレーンがいいのか考えたことあるかな?
手術の閉創間際に出てくるドレーンですが、目的や形状、使用方法、使用場所など病棟勤務だと術後観察が重要になってくるので勉強すると思いますが、案外、手術室看護では勉強してないことが多いのではないかなと思います。
そのため、この機会に是非ドレーンことを一緒に勉強してみませんか?
少しでも知識を習得して明日の手術に活かしてみましょう。
ドレーンの目的って排液すること?
ドレーンを挿入する=体に貯留した液体を出す(排液する)こと…間違いではないけど、どういう目的で排液するかを知っておく必要があります。
予防的ドレーンと情報ドレーンは、考え方的にはドレーン留置場所の状況を管理するという目的は一緒になります。
ドレーンには❝2種類❞ある
ペンローズ?プリーツ?フラット型?何がどう違うの?
ドレーンチューブを種類別にメリット、デメリットを確認しましょう。
ドレーン挿入先を確認しよう
術中ドレーンが挿入されたときにドレーンの先端を確認しましょう。
ドレーン先の各名称
①右横隔膜下 ②左横隔膜下 ③ウィンスロー孔 ④モリソン窩 ⑤右結腸傍溝
⑥左結腸傍溝 ⑦右腸骨窩 ⑧左腸骨窩 ⑨骨盤腔 ⑩ダグラス窩
①右横隔膜下
肝臓の右葉と横隔膜下の間のスペース
右上腹部で最も深部になるところ
手術:肝切除術、腹膜炎手術などで使用
②左横隔膜下
脾臓と横隔膜下の間のスペース
左上腹部で最も深部になるところ
手術:脾臓摘出術、胃全摘、食道手術、腹膜炎手術などで使用
③ウィンスロー孔
肝十二指腸間膜(肝動脈、胆管、門脈)の背部側
手術:胃切除術、胆嚢摘出術、肝切除術、膵臓手術などで使用
④モリソン窩
肝臓と右腎臓の間のスペース
右上腹部で最も低い位置になるところ
手術:胆嚢摘出術、肝切除術、腹膜炎手術などで使用する
⑤右結腸傍溝
上行結腸と右腹壁の間のスペース
上行結腸肝屈曲部から上行結腸外側を通って盲腸周囲まで伸びています
手術:回盲部切除術、右半結腸切除術、腹膜炎手術などで使用
⑥左結腸傍溝
下行結腸と左腹壁の間のスペース
左横隔膜から下行結腸、S状結腸まで伸びていて、右結腸傍溝より大きくなっています
手術:左半結腸切除術、S状結腸切除術、腹膜炎手術などで使用
⑦右腸骨窩
右腸骨の内面のくぼみ部分
手術:回盲部切除術、後腹膜膿瘍ドレナージ
⑧左腸骨窩
左腸骨の内面のくぼみ部分
手術:S状結腸切除術、後腹膜膿瘍ドレナージ
⑨骨盤腔
膀胱、子宮、直腸の骨盤臓器を含む体腔
手術:直腸切除術(低位前方、高位前方)
⑩ダグラス窩
腹膜腔の一部で男性では、膀胱直腸窩、女性では直腸子宮窩という
手術:直腸切除術(低位前方、高位前方)、直腸切断術
ドレーン挿入準備時のワンポイントアドバイス💡
フィルム型:ペンローズドレーン
ペンローズドレーンは、筒状で内臓組織が内腔に詰まる可能性があります
そのため、内臓臓器が内腔に入るのを防止する目的で、ドレーン挿入先にスリットを入れることがあります
チューブ型:プリーツドレーン、クリオドレーン®、デュープルドレーン、ネラトン
ペンローズドレーン同様、筒状で内臓組織が引っ掛かり、ドレーンの機能を妨げる可能性があります
そのため、側孔のところまでスリットカットして挿入します
ブレイク型:マルチチャネルドレーン®、J-VAC®
ブレイク型のドレーンは挿入用の穿刺針が、ドレーンに直接ついていることがあります
その穿刺針は、ラパロ手術時は、ポートからドレーンを挿入するため、必要なく、また、開腹時の挿入時でも穿刺針が太いため、穿刺の影響で刺入部が出血することがあり、それを防ぐため、穿刺針はカットし、スピッツメスで皮膚切除して挿入する医師もいるため、確認しておきましょう
まとめ
これで、ドレーンの基本やドレーン先が腹腔内のどんなところに挿入されるのか理解できましたか?分かったことをみんなに教えてあげましょう!